【ロシア連邦】ろしあ・れんぽう
世界一の面積を誇るわりに存在感が低過ぎるいちおう日本の隣国。日本では、いまだに与党は共産党で、民衆はパンを買うのに行列を作っており、シベリアにはトラしかいないと思われている。実際これらはすべて嘘だが、一方で嘘だったら良かっただろう真実も多い、らしい。
帰ってきてかれこれ一ヶ月がたとうとしてるんですが、
日本に帰ってきてからのほうがロシア語の勉強に対してまじめになってる気がします。
なんだかんだで毎日書いてるしね。
みんなにマーシャの結婚式の写真を送ってくれるよう頼んだら
「ナオシャの好きそうな音楽も送ります。」
というメッセージとともにもうひとつディスク送られてきたのですが
それがもうクッションもなにもいれずに送ってきたので
もうパッケージがばっきばき。
しかもあけてみたら
空 だった。
なんでみんなは送る前にスタス(唯一まともな人)に見せなかったんだろうorz
こういうダメさ加減が懐かしい。
最悪な警備員のおかげで派遣された物理学部青年と私は、
ヴォーヴァに電話をかけおえ、急にわけもわからず呼び出されたえりすかが帰ったあと
ようやくはじめて自己紹介をはじめたのです。
「あ、あの、ディマっていいます。」
「あ、どもすいません。。。ナオカです。あの、日本人です。」
「うん、すぐわかったよ。だってほら、そのぬいぐるみピカチュでしょ。」
「え、あ、はいまあそんなとこです。あはは、よく言われるんですよねえ・・・」
―沈黙―
「いや、にしても大変でしたねえ。。。」
「本当に、まさか警備員があんなとは。」
「まあ、気をつけなくちゃいけないですからねえ。」
「えぇ・・・。」
―沈黙―
「あっ、あのおちゃ・・・とか・・・」
「あっ、あの、おかまいなく。」
「あ、はい・・・。」
なんだこの日本的なぎくしゃく感。
ヴォーヴァが勝手に派遣してきたのはいいけど、
このひとおとなしすぎてどうやら人見知りのよう。
人見知りといえばお医者のナスチャも相当な人見知りだったなぁ。
なんで彼女と仲良く慣れたのかが驚きだ。もちろん大好きだけどね。
さあそんなわけでこの人見知り君をどうしよう?
警備員に襲われ(かけ)たあとのパニックした頭では、このかわいそうな青年に気をきかせた会話がうまくできなかったのです。
するとディマ、口を開いて
「いや、プラーパルのやつが前に話してたんだよ。」
「プラーパル・・・って何?」
「あ、ごめんヴォーヴァのこと。」
「へえ、苗字?」
「いや、軍隊の階級なんだけど、まああいつのあだ名なんだ。
それでヴォーヴァが『13階に日本人がすんでる』って言ってた。」
なんだ、ヴォーヴァもちゃんと覚えてるんだ。
まあ回線接続にいくたびにロシア語を教えろ、宿題を添削しろとねだる奇妙な日本娘を忘れるほうがおかしいかもしれないけど。。。
「男の子同士のあだ名っておもしろいのね。苗字を呼び合ったりするのもロシアでは男の子どうしだけでしょう?」
「そうだね。俺なんて苗字のせいであだ名が『ケルピチ(=煉瓦)』だからね。」
うわぁ 変なあだ名。
「じゃあなんでヴォーヴァは『中尉殿』なの?」
「それはね、3年前の物理学部祭までさかのぼるんだけど。
俺たちみんなでそれはもう飲んで飲んで飲みまくって、
最後はみんなで夜中にすずめが丘の森で飲んでたんだ。
一応あったかかったし、みんなそのままそこで寝入っちゃってね笑
それなのにあいつだけなぜか朝7時に目覚ましちゃってさ、
みんな二日酔いでわけわかんなくなって森で寝てるのに、
『起床ーーーーっ!!起床ーーーーっ!!!』
ってわめきはじめたんだよ笑」
「・・・それ以来ずっと『中尉殿?』」
「うん。」
それ、ただのダメな酔っ払いでは?
「なんか、、、すごく酔っ払いなひとなんだね、ヴォーヴァって。」
「そうでもないけど、まあ典型的ロシア人だと思うよ。いい奴さ。」
そんな酔っ払い伝説を聞いて尚
ヴォーヴァって憎めない奴だなあと思った私。
これはロシアに来て3ヶ月目のある日。 すでにちょっとロシア化されてたのかもしれない。
諸事情あって公開できなかった記事を解禁したいと思います笑
題して
「ナオカ 警備員に襲われる。」
ある日のこと、
エルミーナもギレンも帰国しちゃったし
だれもあそんでくれないから勉強しまくってやる!
というわけでひとりで部屋にこもっていたある日の午後
ココココココン とドアの叩く音がしたので
またハッカーズかよ!と思ってドアをあけたら
なんとそこにはこの階の担当の警備員のおっさん。
にやにや笑いながら彼が放った言葉は、
「ティ、アドナ?」(きみ、ひとりかい?)
((((゜Д゜))) あやしい!!!!!
「えええと、原則的にはひとりかもしれないけど
あと五分くらいしたらすぐ友達がきてそのあとほんやさんいってごはんたべたりするから一人じゃないかな!!!」
そもそも私がここに住んでることなんで知ってるの?あ、手元に住人票があるのか…。くそ
つまりはエルミーナが居ないのも知ってるわけで・・・やばい。これはやばい。
「ふーん・・・ まあいいから部屋みせてみなよ。」
絶対見せないよ!!!!!
おっさんのあけようとする扉を足でがしっとガード。
ドアの近くにある冷蔵庫の上に包丁があるのを確認して、いちおう対話継続。
平和的解決を第一の手段とする国際法の原則にのっとりつつ、
まあ乱暴にしたら後がこわいしね。
「残念ながらあなたには見せられませんので・・・(といいつつ閉めようとする)」
「君の部屋の窓からはなにが見えるんだい?(といいつつ開けようとする)」
「何も見えません。」
「まあいいからいいから」
だめだこいつ。対話きかねえ。
結局「ダスビダーニャ!」と言うが早いがドアをばしっと閉めて、鍵を即座にかけ、さらに自分の部屋にこもって自分の部屋の鍵もかけた。(廊下に出るまでに扉が2つあるのです。一つ目は自分の。もうひとつは共有スペースの。)
冷静になってベッドに座ってピカチュウをだっこして何がおこったか考えてみた。
怖っ!! 外でられないじゃん!!
誰かに頼りになるひとに電話しよう… マルティン(オーストラリア人)はいまバイト中だし、ヨングク(韓国人)は軍隊帰りだから強いけどロシア語あんまできないし…
だれかロシア人の男・・・だれか・・・
あ、 ハッカーズ。
困った時のハッカーズ。
というわけでヴォーヴァ(ハッカーズのメンバー)に電話。
「ヴォーヴァ!助けて!トラブルがあったの!」
「どうしたナオカ!またインターネットが動かないのか!」
「いやインターネットはいつもどおり動いてないけど、
今回はインターネット関係ないの!うまく説明できないけど
私の安全保障に関するトラブルなの!」
ざんねんながら寮に居なかった彼ですが、
「すぐに俺の友達をそっちに送る!」と約束してくれ
5分後現れたのは
ほそくてめがねで温厚そうな、言われなくても“物理学部”なお兄さん。
あのー、ヴォーヴァ。安全保障に関するって言ったでしょ
なんでこんなに細い人送ってくるかな??
しかも彼
「あの、准尉(ヴォーヴァのあだ名)に急いでここに来いって言われたんですけど…」
ってめっちゃとまどってるけど、あなた何も説明しないで送ったでしょ。
でもまあ結局“あのヴォーヴァ”の友達なだけあっていい人で
非常におちついて事態を訊いてくれ、学事部に報告する必要があること、これから家に帰るときには必ず彼に連絡をすること、寮の入り口から部屋の前まで迎えにきてくれることなどを約束してくれました。彼には何の関係も無いことだったのにね・・・いいひとだ。
そんな時に私がパニクって二番目に電話をかけたエリスカさまが登場。
彼女はバレエ鑑賞に出かけるところだったのに
私が「エリスカ3秒でいいから私の部屋に、警備員の前をあえて通ってきてくれないかな!?おねがい、3秒でいいから!」
という変な電話をかけたためにわざわざ来てくれたのでした。
が、たまたまそのときヴォーヴァから励ましの電話がかかってきている最中だったので
エリスカが部屋に来て見たものは、
電話口で「だってこわかったんだもん」をめそめそ繰り返すナオカ。
ベッドにちょこんと腰かけている、知らないめがねのおにいさん。
後日の彼女曰く、
「何が起こったのか何もわからなかったけど、
とりあえずあの知らないお兄さんが物理学部だろうなということはわかった。」
そこですか。
というわけで、また物理学部に新しい友達ができました。警備員は異動になったようです。




